テクニカルレポート
PDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)を知ろう
2011年1月20日
PDFとはアドビシステムズ社が開発した電子文書フォーマットであり、 無償配布されているAcrobat Readerで閲覧することができて、非常に便利ですが、何でもできる万能ファイルではありません。
PDFの特徴
- 異なる環境のPC上で同様に表示・印刷できます。
※フォントのエンベットが必要です。 - 段階的に圧縮することが可能でファイルサイズを小さくできます。
※画像の解像度が下がることにより粗くなります。 - ドキュメントにセキュリティや使用に対して制限をかけることができます。
バージョンによる主な違い
1.2(Acrobat3.0): | DTPではサポート外 |
1.3(Acrobat4.0): | PDF/X-1aのバージョン 透明は分割・統合される |
1.4(Acrobat5.0): | 透明効果を保持 OpenTypeフォント対応 |
1.5(Acrobat6.0): | JPEG 2000圧縮のサポート レイヤーをサポート |
1.6(Acrobat7.0)以降は3D、セキュリティの強化などとなる(2011.1時点ではAcrobatのバージョンはⅩ(10.0))
印刷業界ではまだまだPDFバージョン1.3が主流ですが、透明効果を適切に処理できるRIP(PDF Print Engine)も普及してきており、今後はより安全かつスムーズに扱える1.4以上を運用したワークフローに移行していくと考えられます。
PDF入稿(印刷仕様)について
【メリット】
- 画像やリンクファイルの添付し忘れが無くなります。
- 入稿データサイズを小さくすることができます。
- 作成・出力環境の違いによる事故を防ぐことができます。
【デメリット】
- 印刷仕様で作成する設定がやや複雑
そのためPDF/X-1a、PDF/X-4などの規格があり、それらに準拠したPDFであれば一般的には印刷仕様に適合しているといえます。 - PDFを修正することは原則できない
不可能ではありませんが、手順が困難であり問題も発生しやすく、元のアプリケーションで修正する方が良いケースがほとんどです。
PDF/X-4では透明やRGBカラーも許容されているので、PDFを作成する側も製版知識がないと出力機器の処理に依存することとなり、思いがけない結果になることも予想されます。
そのため現状はPDF/X-1aが印刷仕様としては有効かつトラブルの少ない規格であるといえます。
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